ジム・ジャームッシュ監督の最新作は
日常と芸術を両立させながら生きる
リアルでありながらも希望と夢の詰まった
ドラマチックな最高の映画でした。
生きている人皆にオリジナルの人生があり、
それぞれに不幸も幸せも持ち合わせながら
大切な人を想い生きていること。
そして、必ずしもお金や評価に結びつかなくても
物を生み出し、内なる芸術に真摯に向き合い表現を続けること。
主人公のパターソンの生きかたに
深い共感と尊敬と羨望の気持ちを持ちました。
人生を考えさせられ、また人生に寄り添ってくれる映画だなと。
また、映像としても、シーンの一つ一つが
なんて事のないような街なのにとても美しく切り取られていて
神話のように繰り返される双子モチーフや人々の会話も
間違い探しの小さな違いに気づくようなちょっとした違和感がありながらも
不思議な気持ち良さがあります。
カットに意図的に映り込む、道路や壁に書かれた単語も見逃せない
凝縮されたシーンばかりでした。
そして詩というものは人間が作り出した素晴らしい世界であること。
芸術でもあるが、日々感じる何気ない感情の一つでもあり
日常を大切に想うからこそ詠まれる言葉になるんだなと
どんな形の詩(劇中だと、書かれた詩・頭の中の詩・独白・発声される詩…ラップも)
になろうとも人間の感情と思考は尊いものなんだなと
私は思いました。
少女との詩について語り合うシーンなんて
感動と優しさに溢れていて、監督の気持ちで胸がいっぱいになりました。
一人一人の大人たちがその場のそのシーンにしかいない存在感を放ち
人生いろいろあるけど…まあ悪くはないかと思わせてくれます。
そして、ワンコ、君が素晴らしいよ。